デニムの育て方 – 旅編 旅がデニムに与える影響を考える

デニムをビンテージのように育てたい。デニムを愛する人間なら誰しも、一度はあれこれとその方法を考えたことがあると思います。

当時の環境を再現

そこでまず考えるのが、当時の環境を再現すること。

・リジットのまま穿かれたいたと云われる当時のように、糊を落とさず穿いてみる
・ゴールドラッシュ時に眠っていたデニムの再現のため、土に埋めてみる
・肉体労働時の穿きこみを再現するために、スクワットや筋トレ、庭作業時に多用する
・肉体労働時の強いアタリを再現するために、洗濯糊を直接つける
・鉄分が多く浄水が不十分だった水を再現するために赤土で染める

方法は諸々あり、一つぐらいは試したことがある方は多いのではないでしょうか。

僕もいくつか試したことはありますが、正直なところ決定的なものではなく、ビンテージのようにはなりません。少なくともちゃんとした結果を出すには、数十年の時間が必要でしょうから再現できません。

そんな中、普通の方が中々できない「旅の間」で穿くことを何度かやったことがありますので、感じたことを紹介していきたいと思います。

旅で育てる

バングラデシュの首都ダッカ

ひと口に「デニムを旅で育てる」といっても、どういう環境下での旅かが重要です。

直近の旅はインドとバングラデシュ。気温が高いので汗はたくさんかきますし、旅の間はとにかく歩きます。

重労働ではありませんが、バックパッカーを持って居心地の悪い移動を多くするので、軽い肉体労働分ぐらいの効果は期待できそうです。

インドの村

インドでは田舎の村に1週間ほど滞在していたので、良いエイジング環境だったと思います。

旅中の環境のポイント
・街中であっても砂ぼこりが凄い
・田舎で土に触れる生活をしている
・日本の夏と同じぐらい暑い
・エアコンが効いていない場所に立ち寄ることが多い
・一日中動き回る。荷物を持った移動が多い

あとポイントとして、旅中は外食で寝る前まで外でお茶を飲んだりしているので、ほとんどの時間デニムを脱ぎません。

旅中の洗濯や扱い

1ヵ月半ほどの旅だったので、寝間着を除いてデニムは穿きっぱなしです。

持って行ったデニムは3本で洗濯はなし。1本当たり2週間なので余裕そうに思えますが、毎日汗だくなので、毎日天日干しで乾燥させないと、生地のべたつきが気になる状態になります。

仕上がったデニム

デニム旅

正直引きの写真で見てもまったく変化が分かりません。

汗をかく→天日干しの繰り返しで、生地は固くなり、座りジワの部分はアタリが付きやすくなっています。

この写真だとある程度汚れが伝わりますかね。とても会社に穿いていけるような状態ではありません。

また汚れ以上に匂いの変化が大きい。日々日光で乾燥させていたので、耐えられないような匂いはありませんが、匂いは古着屋そのものです。

この期間を経て思ったこと

洗濯なしで、1本当たり2週間ほどなので劇的な変化はありませんが、思ったことがあります。

この古着の匂いが発生したということは、汗の成分と砂や土の成分を生地に残す必要があるのではないかということ。

洗濯によりインディゴを落とさないことに注意するより、汚れを落としきらないことが重要ではないかと思いました。

そしてできれば、この汗の成分と砂や土の成分が残った状態で数年放置すること。縫製の綿糸が切れることは仕方ないことと諦めて、残留物による色落ちの変化に徹した方が良いのではないかということです。

これまでにデニムと共にもっと長い旅をしたことがありますが、激しいアタリは出るものの、色の出方は日常で穿いている時とあまり変わりませでした。

1年半共に旅したジョンブルのペインター

旅の間は洗濯回数は減りますが、結構汚れるので、普通に洗剤を入れて洗っていました。

それも蛍光剤入りで汚れもよく落ちるので、今回のような古着の匂いを感じたことはありません。

そう考えると、ビンテージのような色落ちを目指すなら、もっともっと不潔に穿くべきではないかということです。

これは長期間洗濯をしないということではなく、肉体労働時のように短期間で汚し、洗濯の際に汚れが完全に落ち切らないぐらいの状態にするということ。

そして穿きこみが完成したデニムを保管する際にも、洗濯をしないことです。

とはいえ、激しい環境で穿いているので、普段履きでは見られない色落ちになりますね。