ウエアハウスより2度に渡って発売されたWrangler(ラングラー)11MWのプロトタイプ。
色落ちが過度で、オーバースペックと言われるリプロダクトデニムですが、ラングラーモデルは売れ筋ではないせいか、自然でヴィンテージに近い色落ちです。
穿き込み期間
アタリが付き始めたコンディションのものを購入し、早8年。数年に渡り部屋穿き。
ここ1年はリモートワークのお供として、長時間着用していました。また泥染めの実験などをして雰囲気が変わりました。
土エイジングの発端はこれ「デニムの育て方 - 旅編」。汗をかいて、砂埃がある環境でデニムを履き続けていると、古着の匂いがした。これを無理に再現するために、デニムを土で汚してエイジングするというシンプル極まりないお話です。[…]
ウエアハウス 11MWプロトの色落ち・生地
アメリカのメンフィス綿を使った左綾織りで、耳はありません。
生地は目が詰まっていて、織の方向は違いますが、ダックディガーとかウォーレンぽいです。
オンスも同じぐらいに感じるので、14.5オンスぐらいあるのではないでしょうか。
縦落ちは線タイプ。LEEと同じような感じですが、線落ちしている部分とそうでない部分の濃淡がはっきりしています。
凹凸は控えめな生地ですが、穿き込んでいくにつれ雰囲気が出てきました。サイドステッチのパッカリングも全体の雰囲気を高めてくれます。
ウォッチポケット周りのヤレ感や、ラングラーならではのステッチも新鮮で、リーバイスモデルとは違った愉しみがあります。
摩擦の多いフロントボタン周辺。抜け感と縦落ちの走るバランスが良いですね。
縦落ちのアップ。強調された線落ちですが、線の粒立ちが大きくシャワー系の色落ちではないのが、良いです。
パーツ
トップボタンは投げ縄をモチーフにしたWrangler仕様。
補強用のボタンもシンプルながら、味が出るよいパーツを使っています。
不揃いな縦落ちやレザーパッチのバランスがいいですね。
パッカリングも自然で、ベルトループの擦れ感などもヴィンテージっぽいです。
リベットも変色して雰囲気があります。
腰周りのステッチが切れている通り、色落ちの割に長期間穿き込んでいることが分かってもらえると思います。
色落ちは本当に遅く、腰周りにゆとりがあるので、ウエストジャストで穿いてもヒゲをバリバリに出すのは難しいでしょう。
シルエット
173cm 65kgで32インチをウエストジャストで着用しています。
1940年代のレプリカといこともあり、太目のシルエット。特にヒップ・腰回りにかなり余裕があります。
正直なところきれいなシルエットではありません。
サイドの捻じれが凄いですね。サイドステッチのアタリも良いアクセントになっています。
後ろ姿は収まりがよく、好きなバランスです。
感想
苦節8年。やっと見ごたえがある色落ちになってきました。
しかし色落ちが遅い分、色残りがある状態でヤレ感が出るので、雰囲気のある仕上がりになります。
ただシルエットが現代的でないので、ファッションに落とし込むのはかなり難しい。オンスが高いので春夏が暑いのもまたファッションから遠ざかります。
とはいえ色落ちは本当に良いので、部屋穿きを懲りずに続けて生末を楽しんでいきたいと思います。