愉しみにしていたJELADOさんの301EXXが、1947年モデルながら15オンスという「やっぱりお前もか!」な出来だったので、もはやリプロダクト追っかけてもなーというところでヴィンテージに手を出してみました。
リーバイス BIG E(推定1969年製造)
色残りは薄々ではないですが、もうひと穿き込みできないコンディション。裾はシングルにも足りないひと折り仕様ということで割と安く入手しました(65,000円)。
うーん、やっぱりかっこいい。実物以上にリーバイスのデニムは写真映りがいいんですよね。
リーバイス BIG E(推定1969年製造)オリジナルの色落ち
生地は凹凸があって粒立ちが強くように見えると思いますが、結構ペラペラです。
例えるなら穿き込んだフルカウントのようで、アメリカンコットンなので、フルカウントよりは多少ハリがある感じです。
ここまで色落ちしていながら破れもないので、本当に普通に穿いたものだと思います。
(ただペンキは付いているので、DIYする時に付いちゃったのかなと)
縦落ち感はありますが、フラットヘッドなんかのゴリゴリとは違い自然なものです。
耳の出方も極端ではないのですが、リーバイスの耳の出方ってインパクトを感じるのが不思議です。
アップにすると本当に普通の感じの生地です。
これだけ見るとリプロダクトとの差は分かりません。
糸の太さも織りも割と均等。
普通に穿くとヒゲなどが入らないのも納得です。洋服として考えると、本来ヒゲとか出るのはよろしくないので69年にはそれなりに均等に織れる技術があったということですね。
糸の品質もあまり高くないように見えますので、リプロダクトの製品が雰囲気が出ないのはやっぱり品質が高すぎるんだと思います。
その分ワンウォッシュ時の雰囲気はリプロダクトの方が良いと思いますが、生地がくたびれる前に色が抜けきっちゃいますからね。
耳は結構しっかりしていますが、それに比べて生地の弱り方が顕著です。
パーツ
かろうじてパッチは読み取れます。
「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」表記が1970年ぐらいから入り始めたので、それ以前のモデルになります。
かつタイプの表記がないので、66年辺りの物でありません。
足長の「R」ではなし。
ステッチが平行に縫われています。
ということで、1969年~1970年にかけての仕様変更前の1本と推測できます。
リベットの色の出方は、時代の重みか。雰囲気のレベルがリプロダクトと違います。
この擦れた雰囲気がたまりません。
ただ生地はドライな感じではなく、しっとりしています。これはカラットしたコットンが弱った時の質感だと思います。
「Good On」のTシャツを着んだ時と同じような変化だと思います。
ちょっと引きで撮ると、耳の出方が際立ちます。これはどういう理屈でしょう。
後ろ側の耳の出方はため息もの。
リプロダクトとオリジナルの違い
リプロダクトの多くはXXモデルになりますが、リプロダクトの方向性は同じだと思いますので、感じたことを記したいと思います。
コットンの質
リプロダクトはコットンの質が高すぎる。
コットンの色
リーバイスのコットンは白の色が違う。洗濯水の影響も考えられますが、リプロダクトの糸は白の光度が高いです。
品種改良をあまりしていないコットンを使うと、オリジナルに近づくとかないのでしょうか。
インディゴの色
LVCとリプロダクトブランドの色味が違うように、ヴィンテージも彩度が低いです。
この差がインディゴの色の違いなのか、コットンの違いによる発色の違いなのかはわかりませんが、LVCの日本製であるカイハラデニムも彩度の低い発色です。
リプロダクトブランドももう少し彩度の低いインディゴにすればよい気がするのですが、なんでしょう。。ワンウォッシュ時の発色の悪さを気にしているのでしょうか。
再現するには
シュガーケーンが10,000円でXXモデルを再現しようとすれば、ヴィンテージに近づく気がします。
安いコットンで、インディゴの発色も悪く、縫製もいい加減。織機は古いけどG3より早く織れる。で、そこそこ大量生産。
現実的ではないですが、手間のかかる作業着というのが理想です。
「ワークマン×シュガーケーン」とかでやってくれませんかね。