Resolute(リゾルト)最大の功績はジャストサイズと乾燥機育成

Resolute(リゾルト)のデニムは、これまでのレプリカジーンズとコンセプトが大きく違うので、アンチな方も多いと思います。

かくいう僕も、初めてリゾルトのデニムをショップで手に取った際には、否定的な印象を受けました。

これまでのレプリカジーンズは、鮮烈な色落ちや生地の凹凸など、一つの完成されたモノとして所有する喜びが得られました。

リゾルトはこれらと大きく違い、生地の表情は希薄で、色落ちサンプルの色残りも薄く、これならオリジナルの赤耳を買った方が良いのではないかと考えました。

それから数年後、試しに穿いてみたいと思うことがあり、実際に自分がリゾルトを穿きながら他の方が穿いているリゾルトを気に掛けていると、リゾルトがデニム好きに与えた影響の大きさを感じるようになっていきました。

そういう考えに至るまでの経緯を、リゾルトの特徴と共に説明していきたいと思います。

リゾルトの特徴

リゾルト 耳のアタリ

リゾルトの特徴はざっくり下記のような感じだと思います。

  1. 日本人に合わせた股上とヒップのサイジング
  2. 赤耳を彷彿とさせるアタリの強い耳
  3. 生地の毛羽立ち

恐らくリゾルトを穿く人の多くは、①のサイジングに惹かれて購入している方が多いと思います。ただこのサイジングがアンチリゾルトの人達に最も酷評されている部分でもあります。

リゾルトのサイジング

ご存知の通り、リゾルトは66モデルやXX(ダブルX)のボーイズ版である503Bをモチーフに、日本人の体形にフィットするようにサイジングされています。

またジャストサイズ~1インチダウンのサイジングで穿くことを推奨しています。そのせいもあってか、かなりタイトなシルエットになります。

細身のパンツをタイトに穿くという点は、過去から合ったスタイルなので、その点は問題ないと思いますが、問題はこれを穿く人が細身でないこと。そしてリゾルト推奨の乾燥方法にあります。

リゾルト推奨の乾燥方法

リゾルトが推奨するデニムのメンテナンス方法は、複数本のデニムと一緒に、表向きで洗濯し、業務用の乾燥機にかけることです。

耳のアタリやパッカリングを出す上では有効な方法だと思いますが、問題は乾燥による生地の縮みがあることです。

元々タイトなパンツに、ジャスト~タイトなサイズを選んでいるにも関わらず、乾燥機にかける度に生地は縮みます。

リゾルト シルエット

生地が伸びやすいので、引っ張れば問題ないということですが、ウエスト周りでも結構苦労しますし、腿周りは簡単に伸びません。伸びるといっても、あくまで自分のシルエットに合った形で伸びるだけですので、脚が太い人は、太いシルエットがそのまま出ることになります。

デザイナー林さんには似合う

結局リゾルトはデザイナーである林さんの理想を形にしたもので、林さんのような細身でスタイルが良い方には似合うのですが、こういったデニムの購入者の多くは40代の方になると思います。

体型や骨格が変化して若い方より太くなりますし、そもそも細身でない方に、タイトなパンツをタイトなサイズで穿くと、キレイなシルエットは出ません。

購入時であるワンウォッシュの時は、シュリンクトゥフィットしていないので、パンツそのものののシルエットが出ますが、穿きこむほどに自分の脚のシルエットになってしまいます。

タイトなパンツでなければ部分的にフィットする箇所が出てくるだけで済みますが、リゾルトのシルエットだと全体的にフィットしてして自分の脚のシルエットが出て、パツパツの状態になります。

林さんが穿いている写真を見てもらうとよく分かるのですが、林さんが穿くと腰の下回りも少し余裕があり、そこから太腿がフィットしない形でストンと落ちるシルエットになっています。

なので林さんが穿けばきれいなのですが、ほとんどの人はこうならないと思います。

穿く人を選ぶデニム

リゾルトはブランド推奨のサイズ選びでは、穿く人を選ぶデニムだと思います。

サイズをアップして穿くか、デニムが自分にフィットする前の色の濃い状態だけを楽しむというのであれば普通体型の方でも良いと思います。

ただリゾルトの流儀には反する気がしますので、難しいデニムだなという印象はぬぐえません。

実際に僕はResolute711を穿いていましたが、タイトさが嫌になり穿くのを止めてしまいました。

リゾルトの功績

ただその一方で、リゾルトのデニムのサイジングや取り扱い方法が広がるにつれ、デニムファンの意識の変化が見られるようになりました。

1つ目は、サイズ選び。レプリカジーンズ全盛の90年代は、オーバーサイズが定番とされていて、それ以降も1サイズぐらいオーバーサイズを選ぶ方が多かったように思います。

またレングスはワンクッションが定番でしたが、リゾルトの誕生によりジャストサイズ~穿いて伸ばすという考え方が浸透し、シューズにデニムを合わすために踝丈にする方も増えたように思います。

ワークウエアとしてのデニムから、ビンテージライクなデニムを、現代的なシルエットで穿きこなすというスタイルが増えてくるのに、リゾルトが与えた影響は大きいと思います。

2つ目は、乾燥機によるエイジング。耳のアタリやパッカリングを、乾燥機使用による生地の縮みや、デニム同士の摩擦を使うという手法が一般的になりました。

これによりデニムを育てる行為に、新たな手法が根付いたと思います。

個人的には穿き方を悩むデニムではありますが、リゾルトがデニムファンに与えた影響はかなり大きなものだと言えるでしょう。

一応断っておきますが、僕はリゾルトが嫌いではないですよ。これまで穿いていた1本は穿くのを止めましたが、2インチアップして新たに711を購入しました。

ウエストは少し大きいのと、シルエットはもう少しタイトな方が良いですが、ここから乾燥機を使って、ウエストジャスト&ほどよいシルエットにして、穿きこもうと考えています。

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