「CANTON(キャントン)」 1963XX-104の色落ち・経年変化 vol.01です。
このシリーズ(1963XX)はCANTONが綿花の選定から行った肝入りモデルで、XXの名前が付いていますがリーバイスにどこまで寄せていったかは不明です。
「1963」はCANTON社設立の年になり、当時はリーバイスが使用していたコーンミルズ社の生地を輸入してジーンズを制作していたのですが、それをリプロダクトしたということでもないようです。
ただ他のリプロダクトブランドとは色落ちが異なり、その色落ちが魅力的だったので購入に至りました。
CANTON(キャントン)とは?
レプリカジーンズ世代にはCANTONは馴染みのあるブランドですが、ざっと。
CANTON(キャントン)は、1963年に日本国内で初めて作られたジーンズブランド。当時、CANTONは本場米国製の生地をはじめTALONファスナーやSCOVILLリベットまでも輸入し、縫製はUNION SPECIAL社のミシンで縫い上げるなど徹底したコダワリを持って本格的ジーンズ作りに取り組んだ日本ジーンズの先駆的ブランドです。
CANTON が目指した XX デニムとは
とのことで、リーバイスXXの完コピを目指した訳ではなく、CANTONが考えるヴィンテージデニムを再現したようです。
CANTON 1963XXシリーズ概要
価格:36,300円
発売時期:
2010年代後半。コロナ前のデニム価格が上がる前に3万円台後半の高価格設定。
マーガレットハウエル、セレクトショップとコラボをしていたブランドということもあり、所謂レプリカブランドとは異なる価格設定のようです。
モデル:
シンチバック付きの30年代モデル。上記写真は細身の別モデルになります。
細身はCANTONのリプロダクトなのか、ベルトループが多いです。
オンス:リジット12oz→洗い後13.5oz程度
CANTON 1963XXシリーズの色落ち
まだ引きで見ると色落ちがよく分からないレベルです。
少し寄るとそれなりに色落ちはしています。筋トレ時に着用していたこともあり、特にバックサイドはいい感じにアタリやパッカリングが出ています。
まだ薄いですが、ヒゲや耳も出てきています。
オンスが低めなので生地感は控えめですが、程よく乾いたやや線が細い色落ち加減が分かってもらえると思います。
コインポケット周りも雰囲気があります。
裾のウネりは強くはないですが、生地の質感の良さが伝わってきます。
黒ラッカーのトップボタン。打ち込みのリベットも含め、全て塗装されています。
裏から見ると通常のリベット。重厚感がある綺麗ないリベットです。
タックインで穿いていることもあり、ボタンのアタリは強めです。ここら辺の生地の質感も良いですね。
バックサイド
パッカリングはかなり強め。
筋トレ時に寝転ぶことが多かったので、シンチバックだけ特に色落ちが進んでいます。
荒々しくも繊細さを残した色落ちが好印象です。
ポケットのステッチは黒。リベットも含め、カジュアル感を排除するためでしょう。
ポケットの上部。縁部分の縫い合わせが独特で、生地が丸みを帯びています。この方が強度が高いのかもです。
パッチは元から無く、縫い枠だけがあります。代わりにタブがあるのですが、そのプライドは表に出さないでほしいところ。
赤タブの代わりに黒タブがあり、これまた要らない情報が。
ファッション寄りのブランド展開をしていますが、ここら辺のセンスは昭和です。
感想
リーバイスのレプリカとも異なり、独自性を打ち出したデザインに賛否がありそうです。
黒タブにあれこれ文字が書かれているのは好きではないですが、リベットやポケットのステッチに黒を使い、野暮ったさを排除している点は個人的にはありというか、他のデニムと差が出るので好きです。
リジッドは黒っぽく(青が強い)、青が強い色落ちもCANTONならではで、ここからの色落ちが楽しみです。
また生地の凹凸はそれなりにありながら、少しオンスが低いのでゴリゴリしたワークウェア感が薄れて良いですね。
サンプルの色落ちは劇落ちですが、細身のモデルをジャスト&未洗いで1年とか穿いたものでしょうから、最終的な色落ちの仕上がり具合は印象が変わってくると思います。
ただ青っぽさがこのデニムが一番良い時のように思いますので、今から1年ぐらいが一番楽しみ時かなと思います。
ちなみにこのデニムは今は廃盤になっています。
生地自体はセレクトショップとのコラボで使われていたりしますので、試してみたい方は中古で探すかコラボがあるタイミングを待つかになります。